林和靖軕(りんなせいやま)は、東軕組が所有する歴史ある軕(やま)であり、岐阜県養老町高田に伝わる高田まつりで使用されます。 軕の名前は、中国の詩人「林和靖(りんなせい)」に由来しています。
1762年(宝暦12年)、東町に御旅所が整備された際に、東軕組と西町が協力して簡素な軕を製作。 その後1772年〜1781年(安永年間)にかけて、本格的な山車へと整備されていきました。
伝承によると、町内の火災により一度焼失し、その後名古屋市伝馬町から軕を購入したとも言われていますが、 実際には伝馬町の人形戯の模写による復元の可能性が高いとされています。
1980年(昭和55年)、林和靖軕は岐阜県重要有形民俗文化財に指定されました。 彫刻や装飾、車輪構造などは江戸後期の技術を残す貴重な資料であり、現在も毎年修繕・管理が行われています。
このような美術的・歴史的価値の高い軕を、若衆が中心となって整備・運用していることは、 地域文化の継承と教育の面でも大きな意味を持っています。